人と繋がりたいと願いながら
自ら 人との絆(いと)を
断ち切ってきた
拒絶されたくない
傷つきたくない
ちっぽけな自尊心を守るために
本当にほしかったものさえ
見失ってしまうとは
見失ってしまうとは
ようやく見つけた
大切な絆さえ
大切な絆さえ
自ら壊してしまうとは…
何故…
何故
いつだって
気づいた時には
遅いんだ
何故
共に戦いたいのに―
共に戦いたいのに―
立ちあがれない
何故
剣を握りたいのに
腕がない
何故
ようやく
気づいたのに
僕は
死んでいく
……死にたくない
……死ねば
一人だ
どんな絆(いと)さえ
届かない…
もう一人は…
~伊東鴨太郎~
<出典>
第百六十七訓:人の話をちゃんと聞け
第二十巻:夏休みは始まる前が一番楽しい