どうやら
俺ァ
つくづく忠義だ 忠節だのとは
縁遠いらしい
ようやく…
その時が
きたってのに
ようやく…
アンタの御庭番に
なれたってのに
こいつが…
最初で最後の
任務になっちまうとは
それも
仲間まで
犠牲にして
アンタに…
将軍に
引導をくれてやる務めとは
……だが
そいつも悪かねェだろ
俺らしいといえば
俺らしい
主君だ王だのの
ために死ぬ奴ぁ
ただの
バカ者だが…
茂々…
ただのダチ公の
ために死ぬ奴ぁ
そいつはもっと
大バカ者だろ
~服部全蔵~
<出典>
第五百九訓 : 傷(あかし)
第五十七巻 : 万事(よろず)を護る者達