……この左目に
最後に映ったのは
お前のツラだった
……この目に
灼きついた仇が
灼きついた仇が
幕府一つであれば
どれだけ楽だったか
俺達の仇は
俺達自身だ
俺達は
あの人を救うために
戦ったにもかかわらず
その弱さゆえ…
あの人の命を踏み台に
生き残っちまった
お前に
その咎を
背負わせて
背負わせて
この目に灼きついた
お前のツラを思い出す度
傷がうずき
喚く
何故
先生の仇を討たねェ
先生の仇を討たねェ
その胸に刃を突き立てれば
全て終わるはずだろうとよ
…その通りさ
俺達ゃ
生き残るべきじゃなかった
…何故
俺達を救いにきた
何故
俺達を見捨て
先生を救わなかった
お前なら
きっとできた
あの時…
約束したのに
お前こそ
誰より
あの人を
救いたかったはずなのに
何故
何故…
俺達なんぞを
選んだ
銀時
銀時
~高杉晋助~
<出典>
第五百二十訓:松下村塾の坂田銀時
第五十八巻:さらばダチ公